渡部さとる氏の「2B Channel」というYouTubeが好きでいつもみている。
その渡部さとる氏の写真集は何冊も持っているのだが、その中でも特に好きな写真集がこの「demain」。
ご本人もこの写真集がご自身の出された写真集のなかで一番好きなのだそうです。
最初、この独特な写真集を作ろうとしたときに出版関係者の反応は芳しくなかったようで。
余白が黒なのもそうですし、どこのだれが撮ったのかかわからん写真も入れるのですから、難色を示すのも当然だとは思います。
一枚一枚の写真的には氏の他の写真集のほうがモノクロの美しさを堪能できるとは思いますが、「写真集」という作品としてみたときの素晴らしさは、「demain」が一番なのではないかと勝手に思っています。
見返せば見返すほど、自分のこころの中にジワジワと来るものがあるんです。
それを簡単に表現すれば「ノスタルジー」なのでしょうが、それだけではない「なにか」があるのです。
純粋に「写真っていいな」って思える写真集なんです。(個人的な感想ですけど)
なんかわかんないけど、「いい写真だなぁ」とくりかえし見てしまいます。
紙のテクスチャなのか、紙自体の質感からくるのかわかりませんが、なんとなく浮き上がるように見えるのですよね。
余白が黒っていう事の効果なのか?
この不思議な感じか好きです。
この女性の後ろ姿の写りの雰囲気もいいんですよね。
レンズの個性と白いブラウスへの柔らかい光のトーン、黒いスカートのシャドーのトーン、髪の毛から下へ(右上から左下へと)流れる光のグラデーション、それらの雰囲気が個人的にとても好きです。
この写真は自分の「ノスタルジーセンサー」にビシビシと来る2枚です(笑)
左の写真の「This is 郵便局員」な雰囲気がたまりません。
右の写真の「塩」がなつかしいなぁ。
むかしは塩の販売が専売だったんですよね。
「塩」って看板もありましたし。
「2B Channel」でこの写真集についての解説動画が上がったので、自分も「demain」を手に取って一緒に解説を聞きながら見る。
なんて贅沢なんだ(笑)
一枚一枚の写真についての解説もよくて発見も色々ありましたが、全体の流れも理解できてとても良かったです。
地味にとか言ったら怒られますね(笑)
モノクロ、カラー、国内、国外とあらゆるシーンの写真が収められていて、氏の撮影スタイルのバリエーションの豊富さを堪能できる一冊です。
(なんか、偉そうでスミマセンw)
ぜひ、この写真集の解説動画もあげて欲しいですね。
あと、「demain」はワタクシが森山大道氏の「Daido Silk」を購入するにあたり、背中を押してくれた写真集でもあります。
「Daido Silk」の存在を知り、欲しいなとは思いつつも印刷方法も特殊だし、現物も見ていないし、何よりも金額が金額なので、購入には非常に悩みました。
「2B Channel」での「Daido Silk」の紹介動画を見つつ、販売サイトを時折のぞいていると「sold out」の文字が…。
ブラックバージョンが売り切れてしまいました。
もともと購入するなら「ホワイトバージョン」がいいなとは思っていたのですが、ブラックが売り切れてしまうと、焦りが生じます。
そんなときに渡部さとる氏の「demain」を本棚から取り出して見ると、
「demain、やっぱいいなぁ、Daido Silkも良いにきまってる!、よし買おう!」
となり、「Daido Silk」を購入しました。
すぐに現物が届き、中身をみると、自分の想像以上に「Daido Silk」が素晴らしく、本当に買って良かったと思いました。
間接的に渡部さとる氏に大感謝です(笑)