日々、せっせとプリントをしていますが、用紙選びをふくめてプリントは楽しいですね。
同じ写真でも用紙が変われば雰囲気も変わりますし、手に取って質感を感じながら眺める楽しさもあります。
「この写真ならあの用紙を使ったらどうなるかなぁ」とか、「あの用紙ならこんな雰囲気になりそうだ」とか考えることもとても楽しいです。
ジャンル的には半光沢カテゴリーになる微光沢のピクトリコのソフトグロスペーパーが自分のお気に入りなのですが、マットな質感が非常に好みです。
カラープリントでの落ちついた雰囲気もいいですけどモノクロプリントのシャドー部のマット感が良いあんばいです。
厳密にはマットではないのですけどね、光沢控えめでマット風味な質感とでも言いましょうか、そんな感じがお気に入りです。
あと、値が張るのでサクサクとは使えませんが、月光のシルバーラベルプラスは用紙の硬さや手触りがよく、モノクロでの雰囲気が非常に好みです。
ピクトリコの「スムーズフォトペーパー」という平滑面微光沢の用紙も落ちついた雰囲気の写真になるので、なかなかいいですよね。
ピクトランの局紙もチャレンジ中ですがなかなかおもしろい。
(局紙)(ふつうに写ってますけど実際はなかなかの緑かぶりしてます)
ざらっとした表面にキラキラとした反射があり、暗部のしまり具合もよくて、「ちゃんとに理想の色味(雰囲気)が出せるなら」、とても好きな用紙です。
そんなあんばいで写真プリントを試行錯誤しながら楽しんでおります。
ただ、わたくしの場合、使用中のプリンターがEPSONの「EP-50V」という染料機なので、カラーはいいとして、モノクロの色合わせが難しくて色々と難儀しております。
純黒調の「純黒」を出すことの難しさに日々格闘中です。
色が転んだり、くじいたり、ねじれたりしてなかなか大変です。
とくに局紙でモノクロ印刷をすると色がねじれて困惑中です。
おもつらいです。
プリントをするときは、EPSONのプリントソフトである「Epson Print Layout」を使用しています。
カラーの時はICCプロファイルを用紙に合わせて設定していますが、モノクロの時はソフトのモノクロモードを使用してプリントしています。
2LサイズのEPSONの絹目調を用紙の基本として使っていますが、わが家の「EP-50V」はモノクロモードの純黒調でプリントをするとなかなかの温黒調で仕上がります。
(純黒調でプリントするとこのくらいの温黒調で刷り上がります)
↑出来上がったプリントの色味と同じになるように「Epson Print Layout」で画面越しに調整してみると、だいたい、水平18の垂直27くらいの温黒具合。
(このくらいの冷黒調でプリントすると見た目は純黒調に仕上がる)
↑なので、逆に水平 -18の垂直 -27の冷黒調でプリントをしてみると、だいたい純黒調な雰囲気のモノクロに仕上がります。
それでも写真によって色転びが若干残ります。
そして、それ以上に一筋縄ではいかないのがピクトランの局紙と局紙バライタ。
純黒調でプリントをしてみると、緑方向にすっころびます。
冷黒調方面に振ってみたり、出目の反対方向に調整したりと色々とためしては見ましたが、結局うまくいかず。
(下がニュートラルの純黒調でプリント。上が緑ころびの逆に調整してプリント。どうやっても緑が抜けない)
紙自体が黄色みをおびているので仕方がないのかなとは思いつつも調べてみると、局紙は色転びしくいとか書いてあるし。
染料機だからかなとか思いつつも、どこかのサイトには局紙は染料機との相性がいいとか書いてあるし。
紙質ならではの許容範囲での緑ころびならあれですが、けっこうなころび具合なので、どーなんだろ…と。
なかなかのなかなかでなかなかなあんばいです。
うちの「EP-50V」では局紙をモノクロで使うことはあきらめて素直にカラーで使います。
カラーでも結構、緑かぶりはしますけど…。
まぁ、フィルムチックでいいかなと(笑)
「EP-50V」と同じような(染料機)カテゴリーで最近出たらしい「EW-M973A3T」とかって機種も下の動画内で、かなり緑かぶりが出ていると言っていたので、エントリー機ではこのくらいは目をつぶって、我慢できないなら素直に上位機種を買えって事なのでしょうね。
こちらでは「SC-PX1V」と「EW-M973A3T」の比較動画なのですが、この動画上でみると「EW-M973A3T」の緑かぶりが目立ちますが、「SC-PX1V」のほうも画面上では純黒調というより温黒調なので単純にこの画面だけでは比較は出来ませんが、説明を聞くとモノクロカラー問わずに緑かぶりをしていそうですね。
カラーは気付きにくいですが、こうやって同じ写真で比較すると分かりやすい。
うちの「EP-50V」はモノクロで何でもかんでも緑かぶりをするわけではないので、すべての機種にあてはまるかはわかりませんが、機種によって色々とありそうですね。
予算と質との兼ね合いもあるでしょうし、開発側にとってもそれだけ色合わせは大変なのでしょう。
とくに染料機はインクの性質上、より用紙の種類(材料)にも左右されるとは思いますし。
ただ、Canonのプリンターのようにパターン印刷が出来ると調整しやすいのですけど、EPSONにはそれがないので大変です。
せめてパターン印刷があれば試行錯誤中に五里霧中にならなくて済むのですが…。
もともとモニターとプリントの色合わせが難しいことは百どころか千も承知ですけども、家の環境ではモニターのキャリブレーションをして色温度も5000Kにはしてありますし、照明も高演色形蛍光ランプを使用して、それなりの調整はしてありますが、難しいです。
そこに色ころび&ねじれの複合技で攻められるとお手上げです。
EPSONのフラッグシップ機の「SC-PX1V」を使えばモノクロは転ばなくていい感じにプリント出来そうですけど、顔料機は過去に色々と苦労しただけにアレなんですよね。
目詰まりとか目詰まりとか目詰まりとか。
Canonの顔料機のとき(写真用ではなく普通のやつ)は、比較的目詰まりしにくかったのですが、電源オンでクリーニング、一息ついてクリーニング、プリント前にクリーニング、プリントが終わったらクリーニング、ちょっとあいだが空いたらクリーニング、電源切ろうとしたらクリーニング。
まぁ、軽く盛ってますけど(笑)、使用時の体感ではそんな感じでした。
なので、いままで、HP、EPSON、ブラザー、Canonと様々なプリンターを使って来ましたが、そのなかで顔料機に対する苦手意識というか、面倒くさいイメージがありすぎて。
自分が使っていた歴代の顔料機の話はけっこう昔の事なので今の顔料機は違うのかもしれませんが。
現在使用中である染料機の「EP-50V」ではそういった事もなく数年使えているのでモノクロや低照度時のカラー表現力以外では十分に満足なのですよね。
モノクロとかプリントしなければ…。
モノクロとかね…。
ただねぇ、やっぱり、モノクロのプリントも楽しみたいのでねぇ…。
「EP-50V」でも温黒調に振られる事を気にしなくてふつうにモノクロを楽しむだけなら十分なのですけどね。
最初はそのくらいの軽いつもりだったので、「EP-50V」を選んで、ふつうに使ってふつうに満足していたのですが。
だったのですが…、
モノクロの表現力にこだわってそれなりに楽しむなら、やっぱりねぇ…。
モノクロの階調表現や用紙にこだわってプリントするなら素直に顔料機の「SC-PX1V」なのでしょうけども…。
「SC-PX1V」は目詰まり以外にもインク代がなかなかの貴族な値段なのですよね(笑)
「EP-50V」は6色一式で五千円くらいで済みますが、「SC-PX1V」だと一式そろえると2万5千円くらいなので単純に5倍(笑)
タンク容量が大きいので単純に比較は出来ませんが高いものは高い。
メーカーの記載をみると「SC-PX1V」のインクは半年で使い切るのが推奨のようなので、素直に従ったら年間コストは単純に五万。
恐ろしいです(笑)
まぁ、すばらしいモノクロを楽しむなら、そのくらいケチるなって話なんでしょうね。
コストと目詰まりの覚悟さえ出来たら、素直にアレですけど。
毎日、もしくは最低でも毎週コンスタントにプリントをするのならいいのでしょうけど、そこまでの頻度では使わないだろうし。
そのへんを考えるとなかなか「SC-PX1V」に踏み切れない自分がいます。
上に書いたことの繰り返しになっちゃいますが、
「EP-50V」を購入した数年前から最近までは、地元のホームセンターで簡単に手に入るEPSONの絹目調(2L)とCanonの絹目調(A4)とネットで仕入れるピクトリコのソフトグロスペーパーでモノクロプリントをしていましたが、元々温黒調が好きだったので色転び自体をあまり気にしてはいませんでしたし、そこまで真剣にプリントと向き合ってこなかったので問題なかったのですが、プリントに対して真剣に取り組みだすと急に気になって気になって(笑)
コストや使用頻度や目詰まりとか目詰まりとか目詰まりとかを考えたら、やっぱり、10年くらいまえから気になっていたフラッグシップなCanonの染料機かなぁ。
染料機の「PIXUS PRO-S1」のモノクロのあんばいや局紙との相性などが気になるところですが、カメラ雑誌のWEBサイトレビュー等がとても少ないのですよね。
手持ちのプリントの本とか写真系のWEBサイトで調べると、「PRO-S1」の前機種の「PRO-100S」だとモノクロは若干赤みを帯びるようですが、それほどの色のねじれも無さそうですし、染料機であってもモノクロの階調表現はなかなかみたいですし、後継機ならさらによくなっているかな。
公式サイトでも黒の表現力をかなり全面に出していますし。
あと、染料インクの退色に関しては、退色したら素直に刷り直せば良いし、なので、顔料染料の耐候性の違いはそれほど気にしてはいません。
耐候性よりも目詰まりとか目詰まりとか目詰まりとかのほうがはるかに気になりますし。
それこそ、自分の作品を販売とかするのなら素直に顔料インクだとは思いますけど。
自分の場合はただの趣味、ただの自己満足なので「自分が」愉しくて、「自分が」納得できたらそれでいい。
光沢感とか発色を求めるなら染料、黒のしまりを求めるなら顔料とかザックリ言われていますが、昔と違って顔料染料のポテンシャルが上がっているので、そんな単純な話でもない気がしますし、エントリー機ならあれですけど、一応フラッグシップ機ならそれなりに質も高いとは思いますし。
「光沢紙でのツヤツヤな写真」とかはほとんど作らないと思うし、マットな質感が好きなので、間違いなく「素直に顔料インクにしとけ」だとは思いますが、目詰まりとか目詰まりとか目詰まりとか、クリーニングからのクリーニングからのクリーニング攻撃は自分の精神衛生上的に非常によろしくないので、買うとしたらやはり、染料機でしょうね。
こんな感じで、あーでもないこーでもないとぶつぶつと言いながらプリントをしつつ、ワンランク上(フラッグシップ機)の景色はどーなんだろうとか日々脳内で妄想のループです(笑)
そんなこんなで、試行錯誤しながらプリントをしていますが、いやぁ、プリントって楽しいですね。