アンドレ・ケルテスの「読む時間」を見る時間

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本屋でなんとなく手にとって買わずにいられなかった一冊。

Andre Kerteszの「ON READING」

分厚い本ではありませんが、質のいい紙にプリントされた写真が素晴らしい。

タイトル通り、文字を読んでいる人たちの「読む時間」を切り取った写真集。

1915年から1970年までの間の様々な場所で読書にふける人たちを素晴らしい構図で切り取っています。

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こちらの写真は1928年の写真でベンチに腰掛けて新聞を読んでる髭紳士の後ろで牛も…。

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こちらの写真も1928年の写真ですが、85年以上前の写真がこのクオリティな事に只々驚愕。
右の写真、ピントが来てる頭を抱えた人の奥で本を読む人が…。

日常を切り取るスナップなのですが、そこには常に読む人が写っている。
写真も縦と横の写真のバランスも良くて、横写真での上下の余白の「間」もいいなぁ。

それぞれの時代の人たちが様々な時代背景の中でどのような事を考えながら読書にふけっていたのかを、この本を眺めながら「読む(思う)時間」でもある気がする。

ヨーロッパやアメリカやマニラの他、1960年代の日本の写真も数点収められている。

アンドレ・ケルテスの「読む時間」

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とても面白く、いろんな意味で奥の深い、素晴らしい写真集です。


読む時間 アンドレ・ケルテス

コメント

  1. yokosuke より:

    こ、これは欲しい。。。また素敵な物を見つけましたね〜^^ 感度の良いアンテナをお持ちで(笑)

    これ、何ミリのレンズで撮ったんでしょうかね(笑)、やはり50mmでしょうか。自分に置き換え、50mmの距離感でこの感じとする…うーむ、自分の力量では85mmでコッソリかなぁ(苦笑)
    雑誌にしろ活字本にしろ、読む姿ってそう言えば美しいものだなと、改めて教えて頂いた感じです。本から読み解くそれぞれの文化や時代背景を知るひとつきっかけにもなりそうですよね。
    社会人になり、本を読んでいる人の姿を見かける機会と言えば、通勤電車での撮影は難しいし、カフェでもちらほら見かける程度かなぁ。図書館は間違いないですが、撮影出来る雰囲気ではないですし、禁止の館も多そうです。それに自分もそうですが、本ではなくスマホを見ているのが圧倒的ですよね。撮る対象にはならないんだよなぁ(笑)
    テーマ決めてじっくりと撮りためていく。やってみたいとずっと思いながらも、あっちこっちとふらふらしながらテーマも定まらず、浅いところを漂っている今です(笑)

    • アバター画像 Photo714 より:

      yokosukeさん、

      たまたま書店で手に取ったが最後、買わずにはいられませんでした(笑)
      この本の巻末にそれぞれの写真の撮られた場所と年月が書かれているのですが、使用カメラとレンズは書かれていないのですよ。
      気になりますよね、カメラとレンズと焦点距離は(笑)

      これらの写真の他にも、屋上で読書してる人を別の建物からゴルゴ13ばりにロックオンして撮ってる写真とかもあって面白いです(笑)

      テーマ…
      本当は撮る方向性や画のトーンとか自分の個性が出せればいいのですが、なかなか難しいです。
      紆余曲折しつつ軸がブレた写真を量産してしまいます(笑)

      現代のようにモノも情報も溢れている中での読書と、1930〜70年代の読書とでは本や新聞等の役割も違うのかもしれませんが、夢中になって読んでる姿は今も昔も変わらないところがまた面白かったりします。
      ただ、現代は読む媒体がスマホだったりKindleだったり。

      本の売れない時代だとは思いますが、お気に入りの一冊はやはり紙がいいですし、CD等もお気に入りのアルバムはやはり手に取って鑑賞したいものです。

      とか言いながら、自分は基本的にCDや映画はダウンロード、写真はモニターで鑑賞…。
      なんか説得力が無いですね(笑)

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